想像する方も多いのではないでしょうか。この真空管のバリエーションは多く、メタル管の6L6から始まり、6L6G 、6L6GA、6L6GB、6L6GC、5881などなど。頭に6L6 が付けば全て同じ条件で動作可能というわけには行きません。それぞれに規格があり、その範囲内で使用することが求められます。このアンプは、6L6GAという出力管を使用しています。管壁にはTORONALの印字がありますが、電極構造からシルバニアのものだと思います。動作条件は「AB1級、自己バイアス、プッシュプル」となっています。本機の特徴は１．標準的なリークムラード型の回路で構成。２．音の良い米国製の6L6GAという球を使用。３．ベテランのトランス製作者による出力トランスを使用。各層エッジワイス巻きで、特性と音の良いトランスとなっています。４．出力管は自己バイアス回路なので、差し替え時のバイアス電流の調整は不要です。５．全ての6L6系の出力管と差し替えが可能です。もちろんソケットが同じであることが条件です。さらにはヒーター巻線の使用方法に工夫をしたので、WE350Bも使用できます。このように多くの出力管の音が楽しめます。６．球の名前をレタリング表示しているので、全部抜いた場合でもどこに何を挿すか迷わない。７．飽きのこない、落ち着いたデザインにしたので、眺めても楽しめる。８．比較的コンパクトなシャーシに組んだので可搬性に富む。９．定格出力を18W＋18W としたので、メインの常用機としても使用可能。試聴しましたが、この球のもつ魅力を十分に楽しむことができ、ハイファイアンプとして特に問題はないという結果でした。 基本的にソースをそのまま再生しますので、音楽のジャンルは選ばないと思います。取扱いマニュアルを添付します（回路図付き）。その中にメンテ方法や球が異常を発生させた場合の対応も載せていますので、詳しくない方でも大丈夫です。アンプの仕様定格出力：18W＋18W （両チャンネル同時動作、歪率3.0%以下、100、１K、10KHz共に）残留雑音：左右共に0.5mV以下出力インピーダンス：8Ω使用真空管 ：6L6GA（TORONAL/シルバニア）、6CG7 （NEC）、6AQ8（松下） トランス類：OPT（TSM 7.5KΩPP用）、PT（サンスイ）、チョークコイル（ラックス）外形寸法：350(幅）×200（奥行）×190（床面からの高さ） （突起部含まず）重量約14KG付属品：取説、上記の真空管アマチュアの手作業になります。製作中の塗装の剥がれ、細かなキズなどもあります。また真空管は保証対象外とさせてください。メーカー品と同じ外観品質を要求される方や、一般的でない部分に個人的拘りをお持ちの方も入札をお控えいただきますようお願いいたします。故障した場合は、部品代、送料を負担いただければ、当方で修理対応いたします。 ただし改造した場合はこの限りではありません。申し訳ありませんが、評価の悪い方（落札後取消を繰り返しているかた）は当方から入札取り消しをすることがあります。ご了承のほどよろしくお願いいたします。（2022年 4月 13日 12時 28分 追加）4種類の6L6系の球を試聴した結果を報告します。選ばれたのは本来の①米国Toronal社・シルバニア製造の6L6GA、②英国STC社の6L6G（別名CV1947）、③米国GE社の6L6GC、④国産富士通社の6L6GTです。プレート損失などの規格は①②④が共通でPross:18Wです。③は30W程度と大きな規格。でもいずれも今回のような同一条件で動作させれば出力も同じになります。それでは①からスタート。これは柔らかくてきれいな音です。バランスよく鳴ります。以降はこれを基準にします。②の英国製。やや外形は①より大きくなります。全域にわたってエネルギーが増加した感じで、華やかな印象です。もちろん情報量も多く、さすがに名球として高価で売買されているだけあります。次は③の6L6GC。②と同じ傾向ですが、近代管の趣が加わります。スッキリして迫力大。頼もしいですね。人気のある球です。常用している他のアンプも同じ6L6GCで固定バイアスプッシュプル。出力トランスは米国マグネクエスト社の大型のものですが、この常用アンプとなんら遜色のない音です。今回使用したトランス巻き仙人さん（ヤフオクにアモルファスやファインメットコアのOPTを常時出品）のOPTの性能の高さが確認できます。たいしたものですね。そして最後は④富士通のGT管6L6GTです。私は初めてこの球の音をききました。なかなかいいとは聞いていました。おそらく50年ぶりくらいでいきなりソケットに挿されて、電圧をかけられたのでしょうが、なんの問題もなく音が出ました。その音を聴いて少し驚きました。出すべき音はしっかり出ていますし、とてもクリアです。③と同じような傾向です。当時の日本の企業の底力、品質の高さを感じます。この球は小型なのでケースに入れてプリメインアンプに使用してもいいかもしれません。以上が試聴記です。落札されましたら、お手持ちの6L6系を挿して、お楽しみください。